苔むした静寂の世界に癒やされる「山伏」登山(西日影沢~)

登山

実は先月21日、右足親指の第一関節を剥離骨折しました。骨がくっついて痛みもなくなったのでリハビリ登山に行ってきました!

残念ながら天気は全国的に良くなく、元々は群馬県にある「平標山」に行く予定だったけど天気予報は雨。
第2候補の「天狗岳(八ヶ岳)」の予報が曇りだったので、天狗岳で決定。

しかし、念のため出発前に雨雲の動きを見ると、どうやら昼ぐらいから雨になりそうな動き。
天気予報よりも自分を信じて行き先を更に変更!静岡県にある「山伏(やんぶし)」へ。

結果的にこれが大英断でした。

登山日:2017/7/23
コースタイム
登山口 8:29 →  大岩 9:06 → 蓮峠 9:44 → 山伏山頂 11:02 – 12:00 → 蓮峠 12:54 → 登山口 13:50
合計 5時間21分(休憩1時間含む)
合計距離:7.8km
累計標高差:1,200m

新東名高速道路の新静岡ICを下りて梅ヶ島温泉方面へ1時間弱。

天気は完全に曇り空。

駐車場への道は結構な荒れ具合で、駐車場直前の坂が車が滑って上れなかった。
他の車も登れなかったらしく、坂の横のスペースに駐車していました。
ほとんどが静岡ナンバー。

相変わらず天気はかなり微妙で、山の上の方が雲で隠れている。標高差1,000mあるので、雲を突き抜けてくれていることを願って出発。

駐車場から登山口までは1~2分と近いが、目立たなすぎて危うく見逃しそうになる。

登山道に入った瞬間景色が一変!

青々とした苔が一帯の岩や木々に張り付いている。前日に雨が降ったのか、濡れてキラキラと輝いている。沢のサウンドと相まって癒しの登山道である。


「良い!良いぞ!」と言いながら歩いていると、おかしなことに気付いた。

時々、自分が思った所と違う場所に足が着地してバランスを崩す。骨折で筋力が落ちているのである。

慎重に歩を進めていたけど、バランスを崩して濡れた岩に足を置いてしまい見事に滑る。
そして岩に手を付いた所に一眼レフカメラが落ち、中指が挟まれる。

激痛!

今度は手の指を骨折かと思ったけど、ただの内出血で済みました。セーフ!

怖いので歩くスピードを落として進みます。

今回のコースは沢と何度も交差し、いくつも橋を渡る。

怪我をした場所から少し歩いたところに丁度良い水場があったので、内出血した指を冷やす。

今日のコースにはこのような水場が3箇所もある。ありがてぇ。

登山口から40分弱。突然目の前に巨岩が姿を現した。
巨岩の上には太い木も生えており、まるでミニラピュタのよう。

その巨岩は無数のつっかえ棒で支えられていた。

近づくと、こんなメッセージが置いてあった。

これらの棒は大岩が倒れてこないように支えています。あなたも一本ご協力願います。私が立てたこの棒はこんなに撓(しな)ってきました(笑)

いやいや、笑ってる場合じゃないし。

標高1,300mを越えたあたりから雲の中に入ってしまい視界なし。

幻想的と言えば聞こえは良いが、実際はスチームサウナである。湿度100%!歩いているだけでカメラのレンズが曇るレベル。
蜘蛛の巣にも水滴が・・・これは綺麗。

先程の大岩から20分分ほど歩くと沢の中を直登する道が現れた。上の方に山ガール2人組が歩いていたので、疑問に思わずに登っていると何だかおかしい。思ったより荒れているのである。

そして、登り切った所で正規ルートと合流した。あぁ、やっぱり間違えてたか。

先程の山ガール2人組に追いつくと「沢登りされるんですか」と聞かれてしまった。確かに汗で沢を歩いてきたみたいに濡れてるけど・・・。あー恥ずかしい。

今日のコース唯一の危険箇所。ザレた道のトラバース。

写真で見るとヤバそうだが、実際はそこまで怖くない。

9時44分 蓮峠に到着。

蓮峠を越えたあたりから、例の足の違和感もなくなってきた。
しかし、それと引き換えに右足だけ疲れると言う現象が現れ始めた。うーん、想定の範囲内!

右足の疲れは無視してガンガン登ります。

標高1,900mを越えたあたりで、視界が良くなってくる。これはもしかして!

対向者の人に「富士山は見えましたか?」と聞くと、「見えましたよ。初めは雲に隠れてたけど、ご飯食べてる間に全部見えるようになった」との回答!
キターーー!

テンションが上がってスピードアップ!

最後に急な坂を登ると、頂上まではなだらかな登りになります。

山の頂上直下は急登と決まっているのに珍しい。

頂上手前は開けていて、そこには雲海に浮かぶ富士山。

嗚呼。山伏選んでよかった。

11時02分 山頂に到着。

今日は雲で隠れているが、晴れた日には荒川三山、白根三山、鳳凰三山などの南アルプスオールスターが一望できる。

晴れた日にまた来たいなぁー。

山頂は冷たい風が吹いていて、汗に濡れた服が一気に冷える。さぁ、早く飯食おう。

景色が良さそうな場所を探してうろついていると、ご夫婦に話しかけられました。

毎週山に行っている健脚夫婦で、かなりハードな山行をこなしているようだ。登山暦も同じくらいで話が弾み1時間ほど頂上で山トークを楽しみました。

その話の中で「山の花を覚えると、より登山が楽しくなる」と言う話を聞いて、確かにそうだなと思ったので、当サイトで山の花図鑑をコツコツと作ってみようと思います。
数が多すぎるので途中で挫折する可能性が高いですが、とりあえず始めてみよう!

花の図鑑コーナーが出来たらここにリンク貼ります。(時間かかるかも)

頂上付近はヤナギランの群生地になっていて8月が見頃だそうです。今はまだツボミですね。

クルマユリも綺麗に咲いていました。

今日は車で来たので、仕方なく来た道を戻ります。
下りも右足に多少違和感があったけど、概ね良好。

下りもスチームサウナになっていて、尋常じゃない汗の量。
キャップのツバから汗がポタポタ滴る。首に巻いたタオルは余裕で絞れるほど。
暑すぎる!

順調に下ること1時間35分。
途中でバランスを崩したり滑ることもなく登山口に到着。

思ったより帰ってくる時間が遅くなってしまったので、温泉には入らずに直帰。

それでも渋滞にハマり家まで5時間もかかった・・・。

まとめ

出発当日に急遽決めた山でしたが、沢あり、苔あり、岩ありで変化があって楽しい山でした。
標高差やコースタイムも適度で非常にバランスが取れた山です。

帰ってきてから天狗岳の天気を確認してみると、私の予想通り午前中から雨が降り始めたようです。危機一髪!

来週は唐松岳&白馬三山の縦走なので、その前に自分の足の状態が確認できたのは大きかった。

こんなに綺麗に南アルプスオールスターが見られる山はなかなかないので、晴れている日にまた来たい。

山伏が載っている地図

コメント

  1. Iwashita より:

    先日、山伏山の頂上で楽しいひと時を過ごさせて頂いた岩下と申します。
    我々が健脚だなんてとんでもないです。いかに楽して頂上にたどり着けるか日々思案している始末です(汗)楽々ピークハント時々無謀って感じですかね(笑)

    早速、Daikichiさんのホームページを拝見させていただきました。
    綺麗で簡潔で読みやすく、登山関連ブログは、ほぼ読ませていただきました。
    「高山病にならない方法」「なぜ山に登るか」等々、様々な分析、調査すごく勉強になります。登山を始める方に是非読んでもらいたいですね。分析、まとめ(考察)を入れてあるあたり理系っぽいですね~
    Daikichiさんの登山傾向を分析すると、次は鹿島槍ヶ岳から五竜岳の縦走をやって、西穂高から奥穂高岳の縦走を目論んでいる感が…?そんなDaikichiさんに日帰りでお勧めなのが表妙義山、なかなか楽しませてくれますよ~。
    仕事でお忙しいと思いますが、面白くためにもなるので是非ブログを続けてください。

    高山植物図鑑のお話しですが、わからない花がありましたらブログにアップしていただければ「この花は何々では」程度でしたらお手伝いできると思います。できましたら撮影時に、花を特定するのに必要なので葉を一緒に写すことをお勧めします。

    では、唐松から白馬縦走、気をつけて行ってきてください。
    次のブログも楽しみにしてま~す。

    • daikichi より:

      岩下さん
      先日はありがとうございました!
      山頂での会話が高山植物に興味を持つきっかけになり、山の楽しみが増えそうです。

      たくさん記事を読んでくれてありがとうございます。
      私は完全に文系なんですけど、色々と調べるのは好きなんです。

      確かに鹿島槍~五竜は行ってみたいなーと思っていました。でもジャンダルムはもう少し先ですかね。
      表妙義は楽しそうですね。今度行ってみます。

      花は葉で種類を見分けるんですね。なかなか写真を取るのが難しそうですね。
      焦らずゆっくり高山植物データベースを増やしていこうと思っています。

      唐松~白馬は雨でいけませんでした・・・。
      代わりに日帰りで天城山。めちゃくちゃ暑かったです。

      これからもよろしくお願いします!

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