- 加入道山、白石沢の大理石(マーブル)(変成岩)Crystallina Limeston(結晶質石灰岩)神奈川県指定天然記念物
- ホルンフェルス Hornfels (変成岩)
- 石英閃緑岩 Quartz Diorite(火成岩)
- 角閃石安山岩 Hornblende Andesite(火成岩)
- 輝緑岩きりょくがん Diabase(火成岩)
- はんれい岩 Gabbro (火成岩)
- 緑色片岩りょくしょくへんがん Greenschist (変成岩)
- 軽石凝灰岩かるいしぎょうかいがん Pumice Tuff (堆積岩)
- 粗流凝灰岩 Coarse Tuff (堆積岩)
- 火山暦凝灰岩かざんれきぎょうかいがん Lapilli Tuff (堆積岩)
- 細粒凝灰岩 Fine Tuff (堆積岩)
- 凝灰角礫岩 Tuff Breccia (堆積岩)
- 火山角礫岩 Volcanic Breccia (堆積岩)
- 水中火山砕屑岩 Subaqueous Volcanoclastic Rocks (堆積岩)
- 枕状溶岩まくらじょうようがん (火成岩)
加入道山、白石沢の大理石(マーブル)(変成岩)Crystallina Limeston(結晶質石灰岩)神奈川県指定天然記念物
大昔、丹沢がはるか南の方にあったとき、サンゴ礁の生物たちの遺骸(サンゴ、貝、有孔虫など)が積もりつもって海底で石灰岩になりました。
その後丹沢の地下深くから大量のマグマが上がってきたので、石灰岩は熱と圧力を受けてこんな大理石になってしまいました。
白石沢、白石峠の名前の由来はこの石です。
ホルンフェルス Hornfels (変成岩)
地表近くにあった岩石が地底深くから上昇してきた大量のマグマと接触して、その熱で再結晶化作用を受けてできました。もともとの岩石よりもち密で硬くなりました。とても硬いので風化・浸食に対して強いのです。
このホルンフェルスは、もとは緑色凝灰岩でした。
丹沢の1500m以上の高峰は、みなホルンフェルスで出来てきます。西丹沢では加入道山から檜洞丸にかけての稜線が、この岩石でできています。
石英閃緑岩 Quartz Diorite(火成岩)
今から500~700万年前頃に丹沢の地底深くに発生したマグマが地下深くでゆっくり冷えて固まった深成岩です。
無色透明の石英、白い長石、黒っぽい角閃石や輝石などの結晶が集まって出来ています。
石材名は「青みかげ」と呼ばれています。
最近、学術的にはトーナル岩と呼ばれています。
西丹沢自然教室を中心として、丹沢山地の東西30km、南北10kmの範囲に広く露出しています。
角閃石安山岩 Hornblende Andesite(火成岩)
やや緑色のこまかい鉱物が角閃石です。
黒っぽいこまかな鉱物は輝石です。
白い鉱物の長石などが集まってできている安山岩です。
全体的には灰色でち密です。
丹沢全域に細い岩脈としてみられます。西丹沢では丹沢湖、水の木沢周辺でみられます。
輝緑岩きりょくがん Diabase(火成岩)
暗緑色で柱状の形の輝石や白い長石など、中粒の結晶が集まってできている深成岩です。
その後の変成作用でやや緑色になっています。
早戸川、塩水川、本谷川の岸では、凝灰岩を貫く岩脈として多く露出しています。
はんれい岩 Gabbro (火成岩)
白い長石、黒っぽい輝石、角閃石の結晶が集合してできている深成岩です。
石英閃緑岩(トーナル岩)にくらべて、全体が黒っぽいこと、結晶が大きいことが特徴です。
石材名は「黒みかげ」と呼ばれています。
西丹沢の世附川流域の浅瀬や水ノ木沢、大又沢でみられます。
緑色片岩りょくしょくへんがん Greenschist (変成岩)
凝灰岩や溶岩などが、高い圧力と比較的低温の影響をを受けてできた低変成度の結晶片岩です。
変成作用により緑色鉱物の配列ができたため、岩石全体が緑色となりました。緑色の縞模様の中に卵形に変形した火山れきが特徴的です。
中川温泉から丹沢湖周辺の地域にみられます。
「さがみ石」として庭石用に使われています。
軽石凝灰岩かるいしぎょうかいがん Pumice Tuff (堆積岩)
流紋岩質マグマの軽石(火山噴出物)が火山灰と共に海底で堆積してできました。その後、珪素に富む部分が変質して青緑色のセラドン石ができました。パッチ状に点在しています。
丹沢・大山の各地でみられます。
西丹沢では、不老山、高松山にみられます。
粗流凝灰岩 Coarse Tuff (堆積岩)
粒の大きさが2mmくらいの火山灰が固まってできました。
海底に堆積した後で弱い変成作用を受けて、緑色の鉱物ができました。岩石全体が緑~暗青色にみえます。
火山岩に似ていますが、よくみますと、体積の縞模様がありますので堆積岩グループと分かります。
西丹沢では、不老山、高松山にみられます。
火山暦凝灰岩かざんれきぎょうかいがん Lapilli Tuff (堆積岩)
主要成分は火山灰です。それに粒の大きさが2~64mmの火山れきが混じり固まってできました。火山れきは主に安山岩や玄武岩で、赤茶、緑、灰、黒色です。
海底に堆積した後に弱い変成作用を受けて、緑色の鉱物ができました。
岩石全体が緑~暗青色にみえます。
丹沢・大山の各地でみられ、西丹沢では不老山、高松山に見られます。
細粒凝灰岩 Fine Tuff (堆積岩)
粒の大きさが1/16mm以下の火山灰が固まってできた凝灰岩です。
海底に堆積した後弱い変成作用を受けて、緑色の鉱物ができました。
岩石全体が緑~暗青色にみえます。
丹沢・大山の各地でみられます。
凝灰角礫岩 Tuff Breccia (堆積岩)
直径が64mm以上の大きさの火山噴出物(火山岩片)と、それらの間を埋める火山灰とが固まってできました。
火山灰よりも火山岩片の方が多いので凝灰角れき岩と呼びます。
丹沢・大山の各地でみられます。
火山角礫岩 Volcanic Breccia (堆積岩)
直径が64mm以上の大きさの火山噴出物(火山岩片)を主として、それらの間を埋める火山灰とが固まって出来ました。
火山角れきは安山岩や玄武岩で、色は赤茶、緑、灰色、黒などいろいろです。
丹沢・大山の各地でみられます。西丹沢では不老山、大野山の北側、高松山にみられます。
水中火山砕屑岩 Subaqueous Volcanoclastic Rocks (堆積岩)
海中の火山活動で噴出した火山岩片や火山灰が火口周辺の海底に堆積して固まりました。
角ばった岩片は溶岩のこわれたもので、その間を埋めているのは海底の砂や火山灰です。
枕状溶岩まくらじょうようがん (火成岩)
約1700万年前に海底を割って湧き出したマグマ
枕状溶岩は、マグマが海底から湧き出しながら海水で急激に冷やされて出来る構造です。丹沢山地の古い地層の中で見つかることから、丹沢の歴史は海底火山としてスタートしたことがわかります。この枕状溶岩は海底から隆起して山地となる長い間に大きな圧力や熱を受けました。変形したり、変質したりしています。色も黒から暗緑色になりました。