梅雨です。週末は全国的に雨です。でも山に行きたいです。
そうだ、トレーニング登山をしようではないか!
去年は一度もテント泊が出来ず、約2年ほど20kg近くの荷物を持って登っていない。
そんな鈍った体に喝を入れるべく、今回はトレーニングとして日本三大急登の一つ「西黒尾根」をテント装備20kgを背負って登ってみた。
ただでさえキツイと噂の西黒尾根をあえて荷物を重くして登る。まさに修行である。
今回のルート
コースタイム
土合駅 08:50 → 登山口 09:07→ ラクダの背 11:17 → ザンゲ岩 12:22 → トマノ耳 12:47 → オキノ耳 13:10 → 肩ノ小屋 13:45 → 熊穴沢避難小屋 14:44 → 天神平駅 15:22
合計時間:6時間32分
合計距離:7.6km
累計標高差(上り):1,255m
累計標高差(下り):650m
西黒尾根を登り、トマノ耳、オキノ耳の山頂を目指す。
その後、天神尾根を下り、谷川岳ロープウェーの天神平駅まで行くコース。
長い長い西黒尾根の樹林帯を抜けた先にある急な鎖場が疲れた体に鞭打つハードなコースである。
下りは文明の利器を使わせていただきました。
登山開始!
西黒尾根の登山口は谷川岳ロープウェーの土合駅からほど近くにある。
天候は天気予報通りどんよりとした見事な曇空だ。
谷川岳ロープウェーの前の道を歩いて登っていくと谷川岳山岳資料館や登山指導センターがある。
登山指導センターで入山届を出せるようになっているので立ち寄る。
そして、その少し先に西黒尾根登山口がある。
登山口から凶悪な急登が見えている。
さすが日本三大急登。いきなり凄いぜ。
今日は荷物が20kgと久しぶりの重さなので、入念に準備運動をして、いざ勝負!
重さに慣れるまでは、とにかく歩幅を狭くして、いかに段差が低いところを選ぶかに専念する。
その甲斐あってか、全く息は上がらずいつも通り登れる。
息は上がらないが、汗が尋常じゃない。気温は20度くらいで涼しいはずなのに、ボタボタと汗が垂れる。
雨が降ってきたんじゃないかと間違えるレベルだ。
脱水症状にならないように水をこまめに補給しながら無心で登る。水分は無駄に4.5L持ってきたからどんどん飲んじゃう。
しかし、本当に見事な急登だ。
樹林帯区間はたった標高差800mほどしかないのに、非常に長く感じる。
2時間ほど登っていると、突然頭上に光が見えてきた。
こ、これは!森林限界!
いつの間にか標高1,600mまで高度を上げており、谷川岳の森林限界に達していた。
谷川岳はその特殊な地形から森林限界が低いのだ。
一気に視界がひらけ、冷たい風が吹き抜ける!
うぉ~!約2時間の樹林帯後の開放的な眺望!最高に気持ち良い!
と喜んでいたのも束の間、ここからが地獄の始まりなのである。
今までの歩きやすい道が蛇紋岩のツルツル岩稜ルートに一変する。
慎重に慎重を重ね、ゆっくりと歩いていると、今度は噂の鎖場が姿を現す。
かなりの勾配である。本格的な鎖場は久しぶりだなぁ。
蛇紋岩は水に濡れると半端じゃ無く滑るので、がっちりグリップしているのを確認しながらゆっくり登る。
鎖は信用できないので使わない。
第一の鎖場を登り切ると、すぐに次の鎖場が見える。
うひょ~!テンション上がる~↑↑
怖そうに見えるけど、実際は足や手をかける場所が多くて怖くない。むしろ楽しい。
ただ荷物が重くて体を引き上げるのに凄くパワーを使う。非常に疲れる!
鎖場が連続し、凄まじい勢いで体力ゲージが削られる。
楽しいけど、凄い疲れるよ!
鎖場を抜けると、ラクダの背に到着。
谷川岳は雲に隠れ、手前のガレ沢の頭が辛うじて見えるだけだけど凄く良い雰囲気。
雲をまとった山って、なんでこんなに格好良いのだろうか。
さて、この先も気が抜けない。
まだまだ岩道の急登が続くのだ。
岩には黄色いマーカーが付いているので、ルートを迷うことはない。
後ろを振り返り、先程まで居たラクダの背を見てみる。
尾根に風がぶつかり、すごい勢いで雲が発生している。はい、カッコいい。
山における雲の演出は本当美しい。
今日の鎖場の中で一番の急勾配出現!もうこれは壁だな。
剱岳のカニのタテバイを思い出す。
核心部を抜けると、山頂は近いはず・・・
あれ?先が見えない・・・。なんかまだっぽいな。
視界不明瞭の中、進んでいると、ほんの一瞬雲が切れた。
なんじゃ~!メチャクチャ綺麗やないかーい!
そして巻機山方面には青い空が見える!
雲が切れたのは、ほんの3~4分だけだったけど素晴らしい景色が見られて幸せだ。
12時22分。ザンゲ岩に到着。
ザンゲ岩に着く頃には完全にホワイトアウト。地図的には後ちょっとで山頂に着くはず。
すぐ近くには大きな雪渓があった。
本当は雪渓の方に登山道があったみたいだったが、よく見えず間違えてコース外の岩を登ってしまう。
両足を左右に突っ張り、広背筋の力を使ってアクロバティックに岩を登る。
えっ?ハードすぎるんですけど!
これって絶対道間違えてるよね。普通にボルダリングじゃん。
とか思いながら必死に登りきると、濃い霧の中に標識が見えた。
トマノ耳まであと150m!この先で天神尾根と合流して一気に人が増える。
そして12時47分 トマノ耳登頂!
登山口を出発してから3時間40分。ちょうどコースタイムくらいかな?
ここで一服。ザックを下ろすと体が半端じゃなく軽い。
せっかくカップラーメンと熱湯を持ってきたけど、面倒くさくなってしまって食べるのはやめて、パンパンに膨らんだ焼きそばパンを選ぶ。
ザックを下ろして少し休憩したら動くのが面倒くさくなる。でも、気合を入れてオキノ耳に向かいますかぁ~!
谷川岳は双耳峰なので、山頂の名前が~の耳と付いているのかな。
トマノ耳が1,963mでオキノ耳が1,977m。これから行くオキノ耳のほうが少しだけ高い。
オキノ耳までは歩いてわずか15分だが、この区間は高山植物がたくさん咲いている。
まだまだ咲き始めのようで、お花畑っていう感じではなかったけどレパートリーに富んだ花々で賑やかな登山道になっていた。
ここでも、お菓子を食べて休憩。あー、帰るの面倒くさいな~。
もう13時10分か・・・行くか。と重い腰を上げる。
ここなら頂上も近いし、夕方~夜にかけて絶景が見られそう。
テント泊はできなそうなので、そこだけ残念。
ここから先の天神尾根は、非常に整備されいて歩きやすい。
それでも重い荷物を背負った下りは足の筋肉を破壊する。
あーキツイ!大腿四頭筋が悲鳴を上げる。
見覚えのある赤い避難小屋だ。
これが見えればもうすぐゴールという認識だったけど、看板を見ると[天神平 2.1km – 谷川岳 1.8km]と書いてある。まだ半分来てなかった。
疲労困憊とは行かないまでも、さすがに疲れたなぁ。
帰りは温泉に寄っていこう。
チョイスしたのは、完全源泉かけ流しの鈴森の湯。
2時間750円で入れるのでリーズナブルだし、ぬる湯もあって長時間入れる。
食事も美味しかった!
まとめ
今回はトレーニング登山ということで、あえて重い荷物を背負って西黒尾根を登りました。
初めの樹林帯は確かに急登続きだけど、歩幅が調整できるので問題なかったが、その後の岩場が辛かった。
岩登りメインで持久力と言うか筋力を使う場面が多く、体力の削られ方が半端じゃない。
軽装だったらスイスイ登れてもっと楽しかったんだろうなという感想。
今回の登山で登りよりも下りの筋力が不足してることが分かったので、重りを背負ってスクワットでも頑張ろうかな。
コメント