私の登山計画の立て方

登山

私は基本的に単独、または複数で行く場合も私が誘う方なので登山計画はいつも自分で立てています。

そんな私がいつもどうやって登山計画を立てているかを記していきたいと思います。

メンバーを決める

一人で行く場合は自分を基準で山を選べば良いのですが、複数で行く場合はそうも行きません。
メンバーの中に体力のない人や初心者がいた場合は、その人に合わせた山を選ぶ必要があります。

特に初めて登山をする人や、初心者の場合は、その人が山を好きになるかどうかが決まってしまうので細心の注意が必要です。

初めての山行が雨だったり、その人のレベルに見合わない山だった場合、その人にとって「登山=きつくて辛い」とインプットされてしまい二度目はないでしょう。

例えば、行く山を「北岳」に設定したとします。北岳は南アルプスにある日本で2番目に高い山で、迫力のある展望、雪渓や樹林帯など変化に富んだ楽しい山です。
北岳は広河原から頂上までの標高差が約1,700mあり、無理をしない限り、最低1泊2日が必要です。

そんな場所に初心者を連れて行ったら、重い荷物に耐えられずバテてしまうでしょう。周りの景色を見る余裕もなく、苦しみながらひたすら登る。登ったら疲労ですぐに寝てしまい、夕日や星空を見られないかもしれません。更に、高所に慣れず高山病にかかってしまうかもしれません。
次の日は全身筋肉痛と高山病のダブルパンチ。そんな中、頂上から1,700mを一気に下りなければなりません。足はガクガクし、転倒や捻挫をする可能性が高くなります。こんな登山は危険ですし、楽しいわけがありません。

ただ、初心者向けのコースを選んだとしても人によっては辛く感じることもあるようです。

以前、初めて登山をする人を含めた4人をつれて、快晴の霧ヶ峰に行ったことがあります。殆ど高低差がなく、ゆっくり歩いて4時間というハイキングコースだったのですが、その中の1人にとっては地獄の苦しみだったようで、その人に「二度目はない」と言われてしまいました。

他にも初めての登山でしたが、登山口に行くまでにバテてしまって引き返したことがあり、その人は「私には向いていない」と登山人生に幕を閉じてしまいました。

山を決める

山を決めるポイントは下記の4つ

・アクセス
・コースタイム
・標高差
・難易度

アクセス

マイカーで行く場合と公共機関を使っていく場合の2つがあります。

マイカーの場合は、駐車場の場所の確認。
登山のコースも車まで戻ってこなければいけないので、ピストンになることが多い。

公共機関の場合は、時刻表を確認。
山のバスは本数が少なく、最終便に間に合わなかった場合、山に取り残されることになるので注意。
同じ登山口に戻る必要がなく、周回することができる。

コースタイム

インターネットでヤマレコやブログなどで簡単にコースタイムを調べることが出来ますが、書いた人の力量がまちまちのため、あまり参考になりません。体調が悪くバテてしまった時の記録かもしれないし、トレランをやっている人かもしれない。参考にすると計画が破綻する可能性があり危険です。

個人ブログに書いてあるコースタイムは参考にせず、地図やガイドブックなど万人向けに設定されたコースタイムを参考にします。ただ、地図やガイドブックに書いてあるコースタイムは休憩時間が考慮されていないので、注意しましょう。

標高差

何度も登っていると、標高差でどのくらい体力が必要かが何となく分かる様になってきます。
個人差があるので、一概に言えないのですが、私の場合は標高差1,200mを越えると「登り応えがあるな!」と感じ、2,000mを越えるときは「かなりハードだな」と感じます。

注意が必要なのは、登山口から頂上までの標高差を見るのではなく、累計標高差を見ることです。標高差が500mでも、アップダウンが激しく累計すると1,000mを越えるてしまっていたということもあります。

難易度

難易度によって持っていく荷物も変わってきます。岩場や鎖場、梯子や雪渓。山によってはロープやヘルメットが必要場所もあります。必ず確認しましょう。

ルート(プラン)を決める

私は何かあったときの場合を含めて3つのルート(プラン)を考えていきます。複数のプランを考えておくことで、何か起こった時にその場で考えることなく瞬時に行動を切り替えられます。

山の地図を見ながらルートを考えましょう。

第1プラン(メイン)

登山口から頂上までのメインルート。

第2プラン(イレギュラー)

出発が遅くなってしまったり、頂上に予定通りつけなくなってしまった場合にエスケープルートやショートカットルートを決めておく。

第3プラン(登れなかった場合)

登山口に着いたは良いけど大雨や暴風で登れそうもない場合のプラン。登山を諦め、温泉に入ったり観光をしたりして楽しんじゃう代案プラン。

 

プランを1つしか持っていないと、何が何でも頂上へ!となってしまいがち。そうすると気持ち的に焦ってしまったり、日の入りに間に合わず夜になってしまったりで遭難の危険性が高まります。何があっても余裕を持って行動できるように、いくつかプランを考えておきましょう。

登山計画書(登山届)を出す

さて、最後に登山計画書(登山届)を提出して終了です。

登山計画書(登山届)は遭難をした時に捜索の範囲を決める重要な手がかりとなりますので、必ず提出するようにしましょう。フォーマットは特に決まっていませんが、日本山岳協会のWebサイトでフォーマットをダウンロードすることが出来ます。

提出先

主な提出先は次の通りです。

・家族、職場の同僚など下山してないことが分かる人
警察はわざわざ下山確認をしてくれません。遭難したと判断し、通報をしてくれるのは家族や同僚などの身内の人たちです。

・警察署
通報した時に警察の方でもすぐに確認、行動できるように警察署にも提出します。

・登山ポスト
登山ポストは個人情報を悪用するような人に簡単に抜き取れるようになっているので、私的には微妙ですね。実際行ったらポストが見つからない場合もありますし・・・。

登山計画書(登山届)提出サイト「コンパス」を利用する

登山届を身内や警察などにメールやFAXをするのが面倒だというあなたに朗報!

山と自然ネットワーク コンパスは公益社団法人日本山岳ガイド協会が運営している登山届共有サービスです。

サイト内で登山計画を作成し、身内や警察署などの間で情報を共有することが出来ます。

更に下山予定時刻より7時間経過しても下山届が提出されないと、自動的に緊急連絡先にメールを発信することが出来ます。下山届は携帯やスマホで下山ボタンを押すだけ。

地図のダウンロード

コンパスでは山域ごとの1/25000版山岳地図をダウンロードすることが出来ます。

端末にダウンロードしてしまうので、圏外でも地図の確認が出来るので便利です。

 

その他詳細は山と自然ネットワーク コンパスWebサイトで確認してみてください。

まとめ

登山計画は何かあった時に身を守る上で、とても重要な作業です。

たとえ自分がリーダーでなくても、しっかり登山計画を把握して登山に参加するのとしないのとでは登山の楽しさが大きく変わってきます。

始めは面倒かもしれませんが、万が一に備えて必ず計画を立ててください。

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