【南アルプス】聖岳を目指して歩く稜線の旅

登山

前回のあらすじ

夏休みを使って歩き始めた南アルプス南部縦走。
初日は椹島ロッヂに泊まり、翌日は千枚岳から悪沢岳、中岳、前岳と越えて荒川小屋へ。
樹林帯から稜線へと抜けるダイナミックな道のりに感動しつつも、長いアップダウンで体力はすっかり奪われた。
夜は背中の痛みに悩まされて一睡もできず──。それでも次の日はいよいよ聖岳を目指して出発することに。

【南アルプス】荒川三山!森を抜けて稜線の風に出会う 椹島~荒川小屋
夏休みを利用して、憧れの南アルプス南部の縦走をしてきました。ずっと行きたいと思っ...

 

今日のルート

荒川小屋 4:00 → 小赤石岳の肩 5:20-5:29 → 赤石岳 6:16-6:43 → 百間洞山の家 8:32-8:44 → 中盛丸山 10:00 → 小兎岳 10:38 →兎岳 11:17 → 聖岳 13:08 → 奥聖岳 13:24 → 聖岳 13:40 → 聖平小屋 15:35

山行10時間11分 休憩1時間23分 合計時間11時間34分(標準CT 11時間55分)
距離16.7km 登り1689m 下り2038m
時間の都合上、大沢岳を巻いたけど、それでも相当ハード。

3日目(8月18日)聖岳への道のり

準備を整えて午前4時、暗い中を出発。
赤石岳へ向かう登山道は想像以上に急登で、昨日の疲れも抜けきらず全然ペースが上がらない。

小赤石岳の肩手前で夜が明ける。

富士山方面から昇る朝日――空が真っ赤に染まり、雲の海が黄金に輝く。
「これだけで今回ここまで来た価値があった」と心から思える絶景だった。

今日歩くルートが見えます。手前が赤石岳、奥が右から大沢岳、中盛丸山、小兎岳、兎岳。

これは昨日歩いてきた道ですね。真ん中に荒川小屋が見えます。奥には北岳、農鳥岳もチラリ。

絶景が止まらない!シャッターが止まらない!

時間がないので、先に進みましょう。悪沢岳の遠く後ろには金峰山も見えています。

6:30 赤石岳着!

赤石岳のすぐ近くに赤石岳避難小屋がある。

避難小屋まで降りて朝食を食べていたら、避難小屋の方に声をかけられる。

「どこまで行くの?」

聖平小屋です。

「遅いよ。5時にはここを通過してないと。想像以上にきついルートだよ。17時を過ぎたら小屋の人に怒られるかもしれないよ」

どうやら午前2時には出発しないといけなかったらしい…。
時間は戻せないので、気合で進むしかない。ここで大沢岳は巻道を選択。最悪は奥聖岳も諦める覚悟を固める。

焦ると怪我をするので、慎重に百間平方面に下りていきます。

稜線を進むと突然ひらける「百間平」。
ここは南アルプスでも特に特徴的な地形で、名前の通り百間もの広さを感じさせる、なだらかで大きな平原が広がっている。

眼前に広がるのは、ハイマツと岩が入り混じる荒涼とした風景。「天空の原っぱ」といった趣きで、険しい南アルプスの中で、ほんのひととき心が解放される場所だ。

百間洞へ向かう途中、すれ違った登山者に「昨日、兎岳と小兎岳の間でクマが出た」と教えられる。
しかも人慣れしていて、鈴を鳴らしても逃げず登山者が立ち往生したらしい。
慌てて熊鈴をしっかり鳴らしながら歩く。

百間洞で休憩。疲れすぎて食欲はわかないが、エネルギーを補給しないと進めないので荒川ゴアでもらった弁当を食べる。
振り返って思うと、この2日間、運動量に比べて食事が少なすぎた。明らかに補給不足、いわゆるシャリバテだったのかもしれない。

で、なんで補給が少なかったかというと持ってきた行動食が悪かった。
カロリー補給用に選んだのがミックスナッツ。
これが喉を通らないのなんの。
パサパサして喉に張り付くし、水は大量に消費してしまうしで全然行動食にあってない。
それで自然と食べる回数が減っていたのだと思われます。

大沢山の巻道も容赦なく急勾配。

正規ルートと合流したのは午前9時半、妙に息が切れる。
パサパサのミックスナッツとエネルギーバーでカロリー補給をして出発。

目の前には不自然なほどに丸い、中盛丸山。

ここから聖岳まで何度もアップダウンを繰り返します。
心折れそうになりながらも景色が最高なので何とか踏ん張れます。

めちゃくちゃ良い稜線歩き。

だが今の自分には過去最高にきつい道のり。
雄大な景色をカメラに収めつつ、ゆっくり登っていきます。

11時17分 気合の兎岳!
午前中にここまで来られれば聖平小屋17時にはならないでしょう。


カッコイイ赤石岳をパシャリ。余裕が出てきたぞ。

でも聖岳の山頂が見えたとき、思わず涙が出た。

13時8分 聖岳山頂到着!

山頂にはたくさん人がいて一安心。
クマ情報をくれた人を最後に一人も見かけなかったので、相当遅いんだなと思っていたが、そうではなかったようだ。

時間的に余裕があったので、荷物をデポして奥聖岳へも足を延ばす。
空身でほぼ平坦なのに息が切れる。

ハァハァ言いながら奥聖岳登頂!
あとは下るだけ!

ザレた急な下りでなかなか歩きにくい。

足が終わってるので牛歩でゆるゆる降りていきます。
途中同じペースで下ってる人に先に行くように進められたが「私は足がもう駄目なのでどうぞ」と伝える。相手も同じく足が駄目らしく、先に行くことになりました。

15時35分 聖平小屋に到着。

受付をする力もなく、数分間放心状態。

少し体力が回復したので、受付を済ませて自分の区画に案内される。
まずはコーラで一服。心にしみるぜ。

聖平小屋は一人ひとりのスペースは広いが、下のマットが薄くて寝袋が1つ用意されているだけだった。
嫌な予感しかしない!

聖平小屋は食事は提供していないので、今日の朝、荒川小屋でもらった昼食用の弁当を食べる。

そして18時に横になる。
案の定、寝てみると背中が痛い。横になっても接地している部分が痛い。
これは今日も寝られないこと確定かな・・・。

そして明日は光岳。体力的にかなり危険な状況だな。
不安な眠れない夜を過ごすのであった。

つづく

コメント

  1. 荒川小屋からの登りは大変でしたよね 逆ルートで行きましたがここは登りたくないと思いましたよ!

    • コメントありがとうございます!何度もアップダウンがあるので、余計疲れるんですよね。登り一辺倒だと楽なんですが。